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公開日:2023.12.25
更新日:2023.12.25

特許ってどのくらいの期間有効?

特許を取得するには時間もお金もかかります。苦労して取得した特許ってどのくらいの期間有効なのでしょうか。
ここでは、特許が有効な期間やその延長、有効期間内に起こり得る消滅事由等について解説します。

1.特許の存続期間

1-1.通常、出願から20

特許の有効な期間(「存続期間」といいます)は、通常、特許出願の日から20年です。もちろん、特許を出願しただけでは他人に対する権利行使はできません。審査を経て特許権になったとき、はじめて権利行使が可能となります。

したがって、厳密にいうと、存続期間の始期は特許権の設定登録の日からであり、存続期間の終期は特許出願の日から20年ということになります。

特許庁に応答手続き等をする際に、定められた期間の末日が休日(特許庁の閉庁日)であるときには当該期間が翌営業日まで延びることが多いのですが、この存続期間に関しては、「特許出願の日から20年」の日が休日であっても翌営業日まで延びるということはないのでご注意ください。

1-2.延長可能な場合もある

実は、以下の場合には特許の存続期間が出願から20年よりも長くなることがあります。

a.医薬品や農薬等に係る特許発明

医薬品や農薬については、その安全性の確保等を目的とする法律による処分を受けるために特許発明が実施できない期間が生じることがあります。そのような場合、延長登録の出願を行うことにより、特許発明が実施できなかった期間について5年を限度として存続期間の延長をすることができます。

b.特許庁の審査が遅延した場合

上記に述べた通り、特許の存続期間は特許の出願の日から20年です。したがって、審査が遅延した場合、特許権が設定登録される日も遅くなり、結果として特許権として権利行使可能な期間が短くなります。
遅延した場合とは、特許権の設定登録の日が、以下のいずれかよりも遅い日以降になった場合を指し、このような場合には、延長登録の出願を行うことにより、一定の期間の存続期間の延長が認められます。

  • 特許出願の日から起算して5年を経過した日
  • 出願審査の請求があった日から起算して3年を経過した日

aとbのいずれの場合であっても、所定の期間内に延長登録の出願の手続きが必要となります。延長登録の出願も要件を満たさない場合には拒絶されてしまいますので注意が必要です。

 

2.存続期間中であっても権利が消滅するケース

存続期間中であっても、特許権が消滅することがあります。それは以下のような場合です。

2-1.年金の未納

知財にあまり馴染みのない人が「年金」と聞くと「?」と思ってしまうかもしれませんが、これは設定登録後の特許権を維持するために毎年特許庁に支払う特許料のことです。

通常、設定登録の際に1~3年分を収めるため、次の支払いは4年目分からになります。特許権を維持したい場合は毎年所定の期間に特許庁に年金を納付するのですが、これを忘れると特許権は消滅してしまいます。
(6カ月の追納期間内に、特許料に加えて割増特許料(特許料と同額)を納付することで、特許権の消滅を回避することができます。)

なお、年金は請求項の数によって額が異なり、3年刻みで高くなっていきます。
具体的な額については特許庁の以下のページに記載されていますのでご参照ください。
(産業財産権関係料金一覧)

2-2.審判等で取り消されることも

他人から異議申立てや無効審判を請求されて特許が取消される可能性もあります。
もともとその特許が先行技術との関係で特許性を有しなかった場合や、出願人が出願人適格を有しなかった場合などには、特許権が消滅する(初めから存在しなかったものとみなされる)ことがあります。

その他、特許権者が特許権を放棄した場合や、特許権者が死亡して相続人が存在しない場合にも特許権が消滅します。

 

3.まとめ

特許の有効な期間やその期間の延長、消滅事由について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。

今回のポイントは、以下の通りです。

  • 特許権の存続期間は出願後20
  • 医薬品等の特許で実施できない期間があったときや審査が遅延した場合には延長登録の出願ができる
  • 設定登録後4年目からは特許権維持のために年金を毎年納付する必要がある
  • 特許権は審判等によって消滅することもある

せっかく取得した特許であっても、存続期間が不当に短くなったり不注意で消滅したりするのは非常に勿体ないので、延長登録の出願や年金の納付、審判への対応はしっかりと行うことが必要です。

特許の存続期間等についてご不明な点等がございましたらお気軽にお問い合わせください。相談はこちら

弁理士 由利 尚美

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