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公開日:2024.03.26
更新日:2024.03.26

特許出願済みであることを表示する場合のルールって?

特許出願の後、パッケージやカタログなどに特許出願済みのものであることを表示したいというケースがあると思います。そのような場合、どのように表示すればいいかということに加え、特許出願済みであることを表示するメリットや注意点についても解説していきます。

.特許出願済みであることをどのように表示すべき?

1-1.一般的な表示方法

特許出願した後、設定登録前(=特許権が付与される前)であれば、出願した発明に関する製品のパッケージやカタログ等に特許出願済みであることを表示することが可能です。そのような場合、一般的には「特許出願中」「特許申請中」等と表示します。また、これらの表示と一緒に出願番号や公開番号を併記しても問題ありません。

特許が付与された特許製品等についてはできるだけ特許表示をすることが法律で定められていますが、権利になる前の出願中の段階では、そのような法律上の定めはありません。

1-2.表示する場合のメリット

特許出願中(特許出願済み)であることを表示するメリットとしては、消費者や他社(他人)等に対して技術力をアピールできることが考えられます。また、競合他社等による模倣を防止する効果も期待できます。

特許出願した後、権利化されるためには、特許庁の審査をクリアする必要があります。特許庁の審査には時間がかかるため、スムーズな場合でも権利化までに1年半程度を要します(2~3年程度かかることも多くあります)。そして当然、権利化されるまでの期間中は模倣されるリスクが生じます。

そこで、特許出願済みの表示をしておくと、それを見た者は「模倣した場合、将来的に特許権侵害が成立する恐れがある」と考えるため、他人による模倣をある程度牽制することができます。

 

.特許出願済みであることを表示する場合の注意点

以下では、特許出願済みであることを表示する場合の注意点についてご説明します。

2-1.やってしまいがちな誤った表示

特許出願済みである場合、「特許出願中」や「特許申請中」等と表示することが一般的であると述べました。

ただし、出願中の権利になる前の状態で、出願した発明に関する製品のパッケージやカタログ等に「これは特許発明です」「これは特許製品です」といった文言や、「これは○○社の特許です」のように、特許取得済であることを誤解させる文言を表示してはいけません。

ここで、誤って使用されがちなのが「特許発明」という言葉です。「特許発明」とは、すでに特許が付与されている発明のことです。したがって、出願中の発明に対して使用するのは誤りです。

そもそも、この「特許」という言葉は結構紛らわしいことがあります。「特許発明」や「特許製品」の他、「特許を持っている」、「特許取得」、「特許が付与された」等、「特許権」の「権」を付けずに使用するときにも、これらの「特許」は通常、すでに権利化されたもの(または特許庁の審査をクリアしているもの)を指します。

したがって、権利化される前の出願中の段階では、「特許出願中」や「特許申請中」という風に、「出願」や「申請」という言葉を含めるなど、誤解を招くような表示にならないよう、注意をすることが必要です。

また、出願後、特許庁の審査において、特許出願の拒絶査定が確定してしまった(=特許出願したものの、登録に至らなかった)場合には、速やかに「特許出願中」や「特許申請中」等の表示を削除することが必要です。

2-2.誤った表示をしてしまった場合

上述したように、出願中の状態で特許取得済みであるような文言を表示してしまった場合には刑事罰の対象になる恐れがあります。

具体的には、特許法上の「虚偽表示」に該当する恐れがあり、刑事罰(3年以下の懲役または300万円以下の罰金)が課せられることもあります。

この虚偽表示は紛らわしい表示をした場合も対象であり、上に挙げた特許出願の拒絶査定が確定してしまった場合に、「特許出願中」や「特許申請中」等の表示をそのままにしておいた場合にも該当する恐れがありますのでご注意ください。

 

.まとめ

本記事では、特許出願済であることを表示する場合のルールについて解説してきました。

今回のポイントは、以下の通りです。

  • 特許出願済みであることを表示する場合、「特許出願中」や「特許申請中」といった表示が一般的
  • 「特許出願中」や「特許申請中」のように表示することにより、技術力のアピールや模倣の防止といった効果が期待できる
  • 出願中の権利になる前の状態で特許取得済み(権利化済み)であるかのように誤解させるような表示等はNGであり、罰則の対象になる恐れがある

特許出願済みであることを示す表示についてご不明な点等がございましたらお気軽にお問い合わせください。相談はこちら

弁理士 由利 尚美

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