
商標登録をしたいけれど、手続きが複雑そうで何をすればいいかわからない…と感じていませんか?本記事では、できるだけシンプルに商標登録の流れを解説します。
1.商標登録の流れ
商標登録の手順は、主に「調査」「出願手続き」「審査」「登録」の4つの工程に分けることができます。それぞれどのようなものであるかを以下で説明しますので、イメージを掴んでいただければと思います。
1-1.調査
出願したい商標が決まったら、まずは商標が登録可能かどうかを調査します。調査せずに出願した場合、後の特許庁での審査をクリアすることができず、最悪の場合、出願費用が無駄になってしまいます。
商標調査は、可能な限り弁理士に任せることをお勧めいたします。その理由は、商標に不慣れな方が出願の際に必要となる商品やサービスの選択を行うことが難しいことや、似たような他人の登録商標が存在する場合に、過去の審決例や登録例をもとに出願すべきかどうかの判断を行うのが困難であるためです。
弁理士による商標調査には、一般的に、無料~数万円の費用がかかります。弊所では、出願を弊所にお任せいただける場合の商標調査は無料で実施しています。
もし、調査を自力でやるという場合には、以下の記事で調査の方法について簡単に解説していますので、ご参照ください。
コラム「商標登録って自分でもできるの?はじめての商標出願ガイド」
1-2.出願
調査を行った後、登録の可能性がある場合は出願を行います。出願手続きも専門家である弁理士に依頼すれば、基本的にご自身で行う作業はありません。
もし自分で出願手続きを行う場合は、特許庁の定める以下の願書を使用して出願します。
(https://faq.inpit.go.jp/FAQ/000001.html?event=FE0006)
願書には、登録したい商標に加えて、商標を使用する商品やサービスを記載します。
出願費用は、指定した商品やサービスの区分数(個数)に応じた額の特許印紙を願書に貼り付けて支払います。なお、収入印紙は使用できませんので、ご注意ください。
また、専用ソフトを使用してオンライン出願を行うことも可能ですが、慣れていない場合はソフトのセットアップや使用に手間がかかることが予想されるため、上記の願書をダウンロードして紙で提出する方が楽かと思います。
1-3.審査
商標を特許庁へ出願すると、特許庁の審査官による審査が行われます。
出願書類の記載や料金などの方式的な審査をクリアした後、自動的に実体的な審査に移行します。
実体審査に着手されるまでの期間は、案件にもよりますが、2025年10月時点では、約5か月~10か月程度となっています(https://www.jpo.go.jp/system/trademark/shinsa/status/cyakusyu.html)。
実体審査では、出願した商標が登録可能かどうかを審査官が判断します。登録可能な場合は登録査定となりますが、登録できない理由がある場合には拒絶理由通知が送付されます。
拒絶理由通知を受け取った場合は、指定された期間内に特許庁に対して応答続きを行う必要があります。拒絶理由の内容は様々であり、補正書や意見書を提出して対応します。無事に拒絶理由を解消することができれば、登録査定となります。
1-4.登録
登録査定となったら、所定の期間内に所定の料金を納めることによって商標が登録されます。所定の料金を納めた後、商標登録番号が記載された登録証が送付されます。これで、商標の登録は完了です。
2.専門家からのアドバイス

商標登録するまでの方法をご説明しましたが、いかがでしたでしょうか。
本記事では商標登録までの流れをかなり簡単にまとめていますが、調査、出願、審査、登録のいずれの段階においても、自力で行おうとすると、時間がかかる上に、不安を感じることもあると思います。
また、無事に登録された後も、登録された権利が必ずしも自己の業務を十分にカバーできてなかったり、権利の維持に必要な手続きを忘れてしまったりすることも考えられます。
したがって、大切な商標を安全に保護するためには、できるだけ専門家である弁理士に相談することをお勧めいたします。
弊所では、商標のプロフェッショナルが様々なご要望にお応えします。お気軽にご相談ください。
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弁理士 由利 尚美