
新しい製品をデザインしたとき、どのようなタイミングで意匠登録出願をしたらよいのでしょうか?以下では、意匠登録出願のタイミングを見極めるうえで考慮すべきポイントを解説していきます。
1.意匠登録出願のベストタイミングは?
現在、日本の意匠法は原則として先願主義を採用しています。したがって、結論としては、「デザインが完成したら、(他人に先を越されないように)できるだけ早く出願するのがベスト」になります。
一方、実際に製品化するにあたってのデザイン細部の修正や、社内での承認手続きなどですぐには出願できないというケースも考えられます。そこで、意匠登録出願を行うタイミングに関して、知っておくべき事項や考慮すべきポイントを、以下で見ていきます。
1-1.意匠登録までの流れを把握する
まずは、意匠登録までの流れを知っておきましょう。意匠登録までの大まかな流れは、以下のようになります。
(1)先行意匠調査
先行意匠調査は、登録したい意匠が登録可能かどうかを判断するために、他人の登録意匠や公知意匠を調査することによって行います。先行意匠調査は、弁理士などが行う場合には、早ければ数時間以内に完了しますが、場合によっては数日を要する可能性があります。
(2)出願
出願は、特許庁が指定する所定の願書及び図面を特許庁に提出することによって行います。願書及び図面の作成にかかる時間はケースによりますが、特に、図面を1から作成する場合には、図面の作成に数日~数週間程度の時間を要する場合があります。
(3)審査
審査は、出願した意匠が登録可能かどうかを判断するために、特許庁審査官によって行われます。審査では、出願した意匠が新規性があるか、他人の類似する先行意匠がないか、創作容易でないか等が判断されます。審査の結果、登録可能と判断された場合には、登録査定が出ます。一方、何らかの登録できない理由がある場合には、拒絶理由通知が送付されます。
(4)登録
登録査定が出たら、所定の登録料を納付することにより、登録が完了します。
1-2.意匠登録までにかかる時間を考慮する
カタログやウェブサイト等に意匠登録番号や意匠登録済の表記を掲載するために、製品の販売開始前に意匠登録を完了したいということもあるかと思います。その場合は、意匠登録までにかかる時間を逆算して出願を行う必要があります。
意匠登録までに最も時間を要するプロセスとして、審査(審査着手までの待ち時間)があります。意匠の審査待ちは、意匠の分類によって変動しますが、現在、約3か月~8か月程度となっています。
(特許庁HP)
したがって、登録したい意匠がどの分類に属し、どの程度審査待ちの期間があるかを確認することが必要です。
1-3.展示会など、公表の場があるかを確認する
製品の展示会やカタログの頒布など、出願前にデザインを公表する場合には注意を要します。現在、日本の意匠法では、意匠は出願時点で新規のものであることを要件としています。したがって、出願人自らが公表したものであっても、出願前に不特定多数の者に公表したデザイン(製品)については、新規性が失われてしまいます。これは、製品を販売した場合も同様です。
もし出願前にデザイン(製品)を公表してしまった場合には、最初の公表から1年以内であれば、新規性喪失の例外の手続きを適切に行うことで、救済を受けることができます。新規性喪失の例外の手続きは、所定の期日までに、所定の書面を提出することによって行います。
2.まとめ

意匠登録出願のタイミングについて見極めるうえで考慮する点について述べてきましたが、いかがでしたでしょうか。本記事で述べたポイントをまとめると、以下のようになります。
- 可能であれば、デザイン(製品)の完成後すぐに出願するのがベスト(先願主義)
- 販売前に意匠登録を完了したい場合は、特に審査待ち期間を確認して出願する
- 出願前にデザイン(製品)を公表する機会がないかを確認して出願する
意匠登録出願を行いたい場合は、できるだけお早めに弁理士に相談することをお勧めいたします。弊所では、意匠のプロフェッショナルが様々なご要望にお応えします。お気軽にご相談ください。
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