2027年1月1日から、中国において新商標法が施行されることとなりました。
今回の改正は部分的な見直しではなく、制度全体を再構築する大規模な改正となっています。
本記事では、特に実務上影響が大きいポイントをご紹介します。
1. インターネット上での商標使用が法律上明文化
これまで中国では、ECサイトやホームページ、SNSなどでの商標使用も実務上は商標の使用として取り扱われていましたが、新商標法ではインターネット等の情報ネットワークを通じた使用行為が正式に「商標の使用」に含まれることが明文化されました。
これにより、
- ECサイトでの商品販売
- 自社ホームページ
- SNSでのブランド発信
なども、商標の使用証拠としてより明確に位置付けられることになります。
2. 「動き商標」の登録が可能に
今回の改正では新たに、動き商標(Motion Mark)が登録可能な商標として追加されました。
例えば、
- アプリ起動時のアニメーション
- 映像コンテンツのオープニング映像
- 車両のウェルカムアニメーション
など、連続した動きによってブランドを識別する表示が保護対象となります。
3. 悪意のある商標出願への規制を強化
中国では以前から悪意のある、大量出願や先取り出願が問題となっていました。
新商標法においては、
- 通常の事業活動に必要な範囲を明らかに超える出願
- 欺瞞や、その他不正な手段による出願
を明確に禁止するとともに、悪意のある出願人に対して10万元以下の行政罰を科すことが可能となりました。
4. 商標の使用管理も厳格化
新商標法においては、「登録後の管理」に関する規定も強化されています。
例えば、
- 公衆を誤認させるような商標の使用
- 登録事項を無断で変更した使用
については是正命令や罰金の対象となり、改善されない場合には登録が取り消される可能性があります。
また、商標ライセンスについても、ライセンシーが品質保証義務を果たさない場合には、ライセンサーが契約を解除できる旨が法律上明文化されました。
5. 不使用商標に対する職権取消制度の導入
現在でも中国では3年間使用されていない商標は不使用取消の対象となりますが、新商標法では、従来のように第三者からの請求だけでなく、CNIPA(中国国家知識産権局)が、職権で取消しを行えることが明確化されました。
そのため、中国で多数の商標を保有している企業は、管理体制をこれまで以上に整備することが重要になります。
6. 異議申立期間が3か月から2か月へ短縮
新商標法では、商標公告後の異議申立期間が3か月から2か月へ短縮されます。
そのため、中国でブランド保護を行う企業にとっては、商標ウォッチングや他社出願の監視体制を適切に整備し、異議申立てを期限内に行えるよう備えておくことが重要になります。
詳細については、CNIPAのサイトをご確認ください。